ストックホルム群島のグリンダ(Grinda)島、ガイドブックにもあまり載っていないので、行く前にどんな場所なのか分かりにくいんですよね。
今回は、私の体験をもとに「行く前に知っておきたかった5つのこと」や良かった点・微妙だった点の両方をリアルに紹介します。
この記事を読んでみて「グリンダ島は自分に合ってる」と思えば、ぜひ行ってみてください。「やめとこう」と思えば行かないのもアリ。
グリンダ島に行こうかどうか迷っている方は、判断の参考にしてみてください。
グリンダ島:行く前に知りたかった5つのこと
ストックホルムの群島好きの私は、毎夏どこかの群島へ出かけています。
結論から言うと、私はGrinda島にちょっとがっかりしてしまったので、その理由を5つあげてみます。


フェリーの本数
ひとつ目。
フェリーの本数が少なめです。
ストックホルムのStrömkajenからSödra Grindaまでのフェリー(Waxholmsbolaget社)は、平日が9本、土曜日は8本、日曜日は6本しかありません。
日曜日の午前に到着して、午後早い時間に「もう帰りたいな」と思ったのですが、次の便の16時まで2時間ほど待たなくてはなりませんでした。これは私のわがままかもしれませんが。

できれば平日か、土曜日に行くのがいいと思います。
マダニ!
ふたつ目はマダニです。
グリンダ島で私が耐えられなかったのは、マダニの多さ。
私は虫が嫌いなわけではなく、むしろ虫以外にも蛇やカエルも触れるくらい平気ですが、マダニは無理。
というのもマダニに刺されると、ダニ媒介性脳炎(TBE)やライム病などの病気に感染するリスクがあるからです。
草や茂みにマダニがいるのはわかるのですが、ホテルのレストランのテーブルや、ロッジのテーブル周りにもマダニがたくさんいたので、安心して過ごせませんでした。
スウェーデンで、いろんな群島や森へ行きましたが、こんなにマダニだらけの島は初めてでした


「それでもグリンダ島に行ってみたい」という方は、ワクチンを打ってから行ってください。
マダニから身を守るには、まずワクチンが基本なので。
その上で、ツルツルした素材のウィンドブレーカーを羽織ると、マダニがくっつきにくくて安心ですよ。編み目のあるカーディガンのような服は、虫が引っかかりやすいので危険。
もちろん、ツルツルの長ズボンに靴下と靴を履くのが絶対で、サンダルは避けましょう。
ダニ媒介性脳炎(TBE)ワクチンですが、スウェーデンだったら、VaccinDirekt、日本だったら「ダニ媒介性脳炎(TBE)ワクチン 東京(住まいのエリアを入力)」などで検索すると、トラベルクリニックなど見つかると思います。
例えば東京ならこちら。
微妙なビーチ
3つ目はビーチです。
ビーチ1: Källviken
フェリーが Grinda Södra に着いたら、北に700mほど歩くと、Källviken という水辺があります。

ビーチはあるけれどかなり小さいので、期待していくとがっかりするかもしれません。

狭いビーチに水遊びをしたい人が集まっているので、せっかく都会から遠くの島まで来たのに「なんでこんなに混んでるの?」という気持ちに。
ビーチ2: Sea Lodge Grinda近く
Grinda Södraでフェリーを降りて、森の中を「Sea Lodge Grinda」というロッジ目指して歩きます。ロッジを右手に見ながら坂を下ると、小さな水辺が出てきます。




ここは静かで良かったのですが、「泳ぐのが最高!」とか「浜辺が綺麗でうっとり」という感じではありませんでした。
ビーチ3: Södra Grinda
次はフェリー乗り場 Grinda Södraから1番近い水辺です。
Googleマップだと「Södra Grinda」と表示されていますが、広ーい芝生の先に水辺があります。


せまい水辺に人がギュウギュウで、「人口密度高いっ!」って思ってしまいました。
ビーチ4: 幻
Googleマップには載っていませんが、案内所でもらった紙の地図には「第4のビーチ」が載っていました。
地図の通りに森を抜けて向かおうとしても、行き止まりや崖のような場所があって、実際にたどり着けませんでした。
紙の地図を見ると、先ほど紹介した「ビーチ2」のすぐ近くに「ビーチ4」があるのに、私には一生辿り着けない幻のビーチでした。
少ないお店
よっつ目はお店。
お店が少ないのも残念でした。
レストランやカフェ、ベーカリー(でも開いていない)、売店はありますが、お土産屋さんなどを色々見て回りたい私には物足りませんでした。
結局、私は本当の大自然よりも、都会の便利さがありつつ自然を感じられる場所が好きなんだと再確認。
グリンダ島は、そういう意味でちょっと消化不良でした。
インフォメーション兼売店兼フロント
フェリー乗り場 Grinda Södraから北に徒歩3分ほど歩くと、インフォメーションに着きます。
Googleマップには「Grinda Stugby och vandrarhem」と表示されています。

宿泊ロッジを予約している人は、ここでチェックインしたり部屋の鍵を受け取ったりする様です。
飲み物やポテトチップスなども売られていました。

営業終了まではまだ1時間ほどあったのですが、売店でコーヒーを頼んだら「売り切れ!ごめん!」と笑顔で返されました。
フィルターコーヒーだったので、正直「もう一回作ればいいのでは?」と思いましたが、笑顔で言われると何も言い返せなくて撃沈。
ベーカリー
ベーカリーがあるということで行ってみましたが、閉まっていました。残念。

ベーカリーのお隣に、Framfickanというレストランの様なお店があって賑わっていました。
Sea Lodge Grinda
森の中を歩いていくと、「Sea Lodge Grinda」という立て看板がありました。
看板に沿って進むと、軽食やドリンクがいただける場所を発見。

暑かったので飲み物を買って、テーブルで飲んでいたら、黒っぽいものがゴニョゴニョ動いていたので凝視。
よく見ると全部マダニだったので、軽い悲鳴をあげながら退散しました。

レストランとカフェ
他に食べるところと言えば、Grinda Wärdshusのレストラン(このあと紹介)と、Grinda Lanthandel & Caféというカフェがありました。
厳しいトイレ
5つ目はトイレ。
島のトイレもなかなか厳しかったです。
水洗ではないので匂いがかなりきつくて、石鹸も切れていて水洗いのみ。
トイレの木のドアには隙間があって、中から外で待っている人の顔が見えました。
ってことは、外からも中が見えているわけで😭。心の中で「無理ー」と叫ぶ。
とはいえ、ホテルのレストランのトイレはアロマの香りがしてとても綺麗だったので、使うならそこ一択かなと思います(軟弱ですいません)。

グリンダ島の屋外トイレを体験して、普段なにげなく使っている水洗トイレって本当にありがたいんだな、としみじみ思いました。
微妙だったけど、救われたこと3つ
ボロクソ書いていますが、ちゃんと良いとこもありました。
フェリーからの景色
グリンダ島は、ストックホルムからフェリーで約2時間。
フェリーから見える景色は素晴らしいの一言です。

海そのものも綺麗ですが、私が特に好きだったのは、住人の日常がチラっと見える瞬間。
抱っこされた赤ちゃんが家の前の海に足を浸けていたり、庭のビーチチェアでくつろぐ人や、孫がフェリー乗り場に着いた(おそらく)祖父母?を走って迎える様子など。
そういう日々の小さな光景に、ちょっと癒やされました。

正直、フェリーに乗ることが、すでに充分アクティビティなんじゃないかと思いました。

森の小道
いろいろ文句を言ってきましたが、森は最高でした。
森の中は空気が綺麗で、人もいないし、異世界。足は棒になったけど、やっぱり癒されました。
マダニが怖くて疲れても座れなかったけど、、。




ホテルのレストラン
Grinda Wärdshusは、島唯一の?レストランでしょうか?ホテルも兼ねているみたいですが、すごく良かったです。マダニ以外は(結構しつこい)。







接客の女性はとても感じよくて、サバサバした明るいスウェーデン人女性。
大好きなスカーゲントーストを頼みました(トーストスカーゲンともいう)。
ディル(香草)やマヨネーズで和えた海老をトーストと一緒にいただきます。


スウェーデンのレストランは、炭酸水じゃない普通の水(つまり水道水)は無料のことが多いのですが、ここでは普通のお水が有料だったので、ちょっとびっくりしました。

島内いろいろ
島内をあちこち散策してみたので、その写真をいくつか。
サウナ
海辺の近くにポツンとサウナ小屋がありました。
1時間500クローナ(約7,500円)で4人まで入れるそうです。
こちらのコンタクトフォームから申し込みができる様です。同じリンク内にカヤックの案内もありました。


ワイルドな宿泊施設
島内にはところどころに宿泊施設もありました。
それぞれが独立した小さな家のような作りで、雰囲気はなかなか良さそう。

でも、Googleマップのレビューを見ると、「中はかなり簡素」とか、「トイレがすごく匂う」という声が多めでした。
トイレの件は、わかる気がする、、、というか納得。


島の北にはテントエリアもあるそうです。
陶芸小屋
KERAMIKと書かれたかわいい小屋を見つけました。

Grindaの公式サイトによると、陶芸などの体験はイベントとして不定期にオープンしているようです。
気になる人は、ストックホルムのクングスホルメン島で陶芸を教えているFredrikさんという方がいるそうなので、そちらに問い合わせしてみるといいかもしれません。

牧歌的な風景
静かな森、広がる牧草地や麦畑、ゴツゴツとした岩場、静かな海辺。
グリンダ島には、素朴で懐かしくて、ちょっと寂しくなるような風景が広がっていました。





ストックホルムからグリンダ島までのアクセスまとめ
ストックホルムからグリンダ島までは、フェリーで約1時間半〜2時間です。
運行会社 | ストックホルムのフェリー乗り場 | 所要時間 | 片道運賃 |
Waxholmsbolaget(ヴァクスホルムスボラゲット) | Strömkajen(グランドホテルの前) | 1時間半から2時間ほど | 130クローナ程度 |
Stromma | Strandvägen | 1時間半 | 230クローナから(要予約) |
Waxholmsbolaget社(ヴァクスホルムスボラゲット)の方が安くて、Stromma社より本数が多いのでおすすめです。
ただ、Stromma社は観光フェリーなので、Waxholmsbolaget社よりは、船内がきれいで売店もちょっといい感じです。

- 乗船後に船内で購入可能(現金不可、カードのみ)
- 船内で乗船券を買うと黄色いチケットがもらえます。下船時に必要なので無くさないようにしましょう。
- またはSLアプリから購入可(SLはストックホルム公共交通の略)SLアプリについて
- SLアプリでは「Buy app tickets」の下にある「Travel with Waxholmsbolaget」から購入(運賃が複数あって迷うので、船内で買った方が簡単です)
便数や運航時間は季節や曜日によって変わるので、事前に公式サイトで確認してくださ
うれしいお知らせ
この春から、SLチケットはヴァクスホルムスボラゲットの一部区間(SLエリア)で使えるようになりました。
「SLエリア」とは、ストックホルム市内中心部からヴァクスホルム周辺までです。くわしくは公式サイトで。
つまり、すでにSLチケットを持っている場合は、エリア外の区間だけワックスホルムスボラゲットのチケットを追加購入すればOKです。
- ストックホルムのStrömkajen → ヴァクスホルム間はSLチケットで移動(片道43クローナ)
- ヴァクスホルム → グリンダ間はヴァクスホルムスボラゲットのチケットが必要(片道84クローナ)。
つまり、今回乗ったストックホルム(Strömkajen) → グリンダ間は、片道トータル127クローナ(約1,900円)でした。








スウェーデン旅行を考えているなら、観光前にチェックしておきたい1冊はこちら
グリンダ島の公式サイトなのかな?
ここに色々と情報が載っていました。
https://grinda.se/en/
さいごに
グリンダ島、「行ってみたいな」って思いましたか?それとも「無理かも」って感じましたか?
私はというと、自然が豊かなのはいいけど、お店が少なくて、海辺も寂しくて悲壮感ただよう気持ちになってしまいました。なによりマダニの多さが無理でした。
それに、「日本から遠く離れて私ここで何してるんだろ」とまで思ってしまって。疲れてるのかな。
でも、今回「自分は都会みがある自然が好きなんだな」って気づけたのはよかったのかもしれません。
おすすめの群島の記事が2つあるので、ぜひごらんください。
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