[日帰り]アートも自然も! 欲張り美術館Artipelagへ

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自然が好きだけど、登山靴を履いて本格的に山歩きするほどのアウトドア好きではなく、美術館が好きだけど、ずっと室内で過ごすのは不健康な感じで罪悪感を感じる、と思う面倒くさい私。同じ様な人はいませんか?

そんなややこしい人間を大満足させてくれるのがArtipelagという美術館。

アートを鑑賞した後は、海を眺めながら外のウッドデッキを歩いて自然を満喫。さらには、美味しいケーキやランチも食べられるので、別腹の胃袋もしあわせです。

今回は、自然欲もアート欲も大満足という、一石二鳥の美術館Artipelagを紹介します。

目的地をおさらい

Artipelagは、ストックホルムのSlussenからバスを乗り継いで1時間くらいかかります。

と、書いた時点で「バスを乗り継いで1時間も!」と思いませんでしたか?

楽に行きたいあなたの為に、市内から30分でかんたんに行ける方法をお知らせします。

Solar Eggを目指していざArtipelagへ!

直通バスのチケット購入と乗り場

ストックホルム中央駅のシティターミナルからArtipelagへ、毎日シャトルバスが出ています。Artipelagにはバスでわずか30分で到着します。

直通バスのチケットは事前にオンラインで購入しましょう。バスの中では購入できないので気を付けてください。

シティターミナル→Artipelag:10:45発と12:30発
Artipelag→シティターミナル : 15:15発と17:00発

公式HPからバスチケットを事前に購入(片道50クローナ)
片道だけの予約もできて、席は自由席です。

私はArtipelagの後はバスで20分のグスタフスベリへ行くので、今回は片道チケットだけ購入します。

地下鉄T-Centralen駅から中央駅を抜けてシティターミナルへ

バスのゲート番号は、出発予定時刻の約 15 分前にターミナルのスクリーンに表示されます。

今日の10:45発Artipelag行きは15番ゲートだとわかりました
スクリーンに表示されたゲート番号に向かって歩きます

以前は、シャトルバスが中央駅前のマクドナルドの前から発車していたので、現場は混乱の極みでした。知らないで路駐している車の運転手とバスの運転手さんの喧嘩が始まったりして、、。

今はバスターミナルから出発してくれるので、バスが来る間も椅子に座って待てるので快適です。

シャトルバスで右側の列に座ると、途中で綺麗な海が見られますよ。

バスの右側の席からの綺麗な海の眺め 
バスは修学旅行で乗った様な大型観光バスです。

車内にUSBケーブルの充電口があったけれど、なぜか充電できませんでした。

そして、バスでぼーっと景色を眺めていたら、あっという間にArtipelagへ到着しました。

Artipelag

エントランスですでに満足

Artipelagのエントランスとチケット売り場

天井が高くて広々としているエントランス。このエントランスに入っただけで、来て良かった〜と半分満足なのですが、さらなる高みを目指して展示品を見ていきましょう。

と、その前に館内のカフェを紹介しておきます。

広々カフェ : Bådan Café & Pâtisserie

Bådan Café & Pâtisserie

エントランスフロアにはカフェBådan Café & Pâtisserie、3階にはArtipelag Restaurantというレストランがあります。そして、今回紹介するのはBådan Café & Pâtisserieの方です。

Bådan Café & Pâtisserieの窓の外いっぱいに広がる木々

パティスリーのケーキは、アニー・ヘッセルスタッド(Annie Hesselstad)と職人達によって作られています。アニーは2023年に「ノーベルパティシエ」に選ばれ、2年連続でこの役目を務めている凄い人。

2023年の「ノーベルデザート」は「ノーベルペストリー」として開発されて、Bådan Café & Pâtisserieで食べられます。

Annie Hesselstadのケーキ

夏にArtipelagを訪れたら、外の席でお食事してみてください。眩しいのが苦手な人でも、木陰に座れば大丈夫だと思います。

料金は、魚、肉、野菜などのメインは195クローナ〜、サンドイッチ125クローナ〜、ケーキは45クローナ〜が目安です。

そよ風が気持ちの良い外の席

この日のスープは、ズッキーニとポテトのスープ。スウェーデンの料理は塩気が多いのですが、スープだけはどこもよい塩梅で美味しいのです。スープがマイルドなので、チリ味のクルトンが良いアクセントとなっていました。

ちなみにスープを注文すると、空のスープボウルを渡されるので自分でよそって運びましょう。そんなに食べられないと思うけど、パンとバターも食べ放題です。

チリクルトン添えのズッキーニとポテトのスープ、145クローナ

この後グスタフスベリで食い倒れの予定だったので、ケーキは我慢しました。

展示 : I Follow the Sun

現在の展示は、I Follow the Sun。ひまわりに関する作品が100点ほど展示されています。

I follow the Sunには、絵画、写真、彫刻の分野で、ひまわりを題材にしてきた10人ほどのアーティストの作品100点程が展示されています。

I follow the Sunの展示
2024年6月29日 – 2025年1月5日まで

I follow the Sunの展示会場

ところで、ひまわりは1569年にアメリカからヨーロッパにもたらされたそうです。全く知りませんでした(知ってる人もいないかな?)

その後、ヨーロッパで製作された絵画や彫刻に、ひまわりが登場するようになったのですね。

常に太陽に向かって咲くひまわり、尊い

ここから先は、いくつかの作品を紹介していきます。

オーレ・バートリング(Olle Bærtling, 1911-1981)は、20 世紀におけるスウェーデンで最も重要なアーティストの 1 人です。

元は銀行員でしたが余暇に絵を描き始め、独学で絵を学びましたが、さまざまなアーティストのプライベートトレーニングに何度か参加し、その影響を受けています。

Olle Bærtling, Solrosor, 1946

Clara Gesang-Gottowtの絵は、色使いが素晴らしかったです。この色好きっ!ギュッ!と抱きしめたくなる色使い。昔風に表現すると、ハートを射抜かれた、という感じでしょうか。

Clara Gesang-Gottowt, Irrbloss I, 2024
右から2番目の絵は、Michael AncherのGirl with Sunflowers (1889)

Vik Munizは、ブラジルのアーティストであり写真家です。作品をよく見てみると、ミシュランマンがいました。小さな写真を貼り合わせて一つの作品にしているのですね。こういう仕掛けは楽しい。

Vik Muniz ,Portrait of Adeline Ravoux, after Van Gogh (Pictures of Magazines 2), 2012
ミシュランマンは見つかりましたか?

会場は作品がゆったりと展示されていて人も少ないので、一つ一つの作品をじっくり味わえました。

絵画以外では、アイ・ウェイウェイ(Ai Weiwei)の、ひまわりの種を陶器で表現した作品が印象に残りました。ウェイウェイという名前がカッコイイですね。

ひまわりの種は本物ではなく、陶器に手書きされたミニ彫刻です。本物そっくりで驚きました。

一つ一つの種は小さなものでも、集合すれば大きな力になると感じました。

Ai Weiwei, Sunflower Seeds, 2010

禅寺の様な無駄のない空間と静寂で、作品の世界に浸れました。

ひまわりづくしの展示場、ひまわりの絵画やひまわりのブロンズ像

ひまわりを擬人化したブロンズ像。こういう作品を作る人、本当に好きです。

Klara Kristalove, Solros / Sunflower, 2023

Anna Bjergerの描くひまわりは儚くて優しい絵でした。Annaさんもこの絵の様な優しい人柄なのかと考えながら鑑賞。

Anna Bjerger, Giant, 2023

日本人の写真家、川内倫子さんの写真も展示されていました。

写真の中の空の色が、いかにも日本の夏空。真っ青ではなくて、ちょっと白を足した様な水色の空。日本の夏を思い出して、懐かしくて泣きそうになりました。

Rinko Kawauchi、2002

つづきましては、Erik Steffensen。力強いのに柔らかなErik Steffensenのひまわりでした。ずっと見ていたい優しいひまわり。

Erik Steffensen, Sun Flowers I, 2024

スウェーデンの画家、Carl Larssonの作品も印象に残っています。Carl Larssonは、スウェーデン人の日常生活を描いた作品が人気です。

Carl Larsson, Sjutton år, 1902

タイトルのSjutton årはスウェーデン語で17歳という意味なので、この絵に描かれている女性は17歳なのでしょう。

Carl Larsson, Sjutton år, 1902

Carl Larssonの作品は、細部まで丁寧にリアルに描かれていて、近くで見れば見るほど素敵です。

Carl Larsson, Sjutton år, 1902

おまけ : 別会場の”Imagine Van Gogh”展について

Artipelagでは、現在 “Imagine Van Gogh” という展示もされています。ひまわりの展示(I Follow the Sun)とは別料金です。

ゴッホの作品が壁、床、スクリーンに映し出され、ゴッホを体感するというコンセプトの様です。

私は、ゴッホの絵なら見たかったのですが、絵は展示されていないということで今回は見送りました。

今年の10月13日まで展示されているので、ゴッホの世界を体ごと受け止めたい!という方は、足を運んでみてもいいのかもしれません。

Imagine Van Gogh

外の遊歩道、にしては長すぎる遊歩道

展示を見たら外をお散歩しましょう。遊歩道や周囲には彫刻が展示されています。
なお、外の彫刻マップは50クローナですが、遊歩道だけの散策なら無料です。

にもひまわり
ひまわりの横でランチも

まず、遊歩道を下っていきます。

遊歩道を歩いていると、小学生の時に行った林間学校の山の匂いがしました。

遊歩道を降り切ったら、海に向かって左方面へ進みましょう。Solar eggというたまごの形のオブジェがあります。

Bigert & Bergström, Solar egg, 2017

たまごの表面が鏡の様に顔を反射するので、皆さん、たまご越しに自撮りしていました。つられて、私もたまご越し自撮りをしてみました。

帰宅してその写真を見たら、免許証の写真の様な真顔だったので、何枚か削除しました。でも、真顔が面白かったので2枚残しました。冥土の土産に。

海沿いの林。ピクニックをしている家族いました。

Solar eggの近くに開いているゲートがあり、道を進んでみると林がありました。

海を前にくつろぐ女性、こういう時間が大切なんですよね
崖から見えたスウェーデンらしい赤と白の家

林からSolar egg方面へ戻ってきたら、今度は東に向かって遊歩道を海沿いに歩きます。

最高の天気と空気

しばらく歩くとLars Nilssonの少年の像に出会います。この少年は船着場にいるので、ストックホルムからフェリーで来ると会えるはずです。

Lars Nilsson, Boy, 2012

海を左手に見ながらまだ歩きます。下の写真の白丸で囲んだところ、あそこまで行くのです。

対岸に見える白丸まで歩くのです

この後、グスタフスベリ行きの14時のバスに乗りたいので、若干早足で。

秘密の小道みたいな道を進
木のトンネルを抜けた先には

後ろ姿の人、みーつけた。

Jaume Plensa, Ainsa IV, 2015

この耳なし芳一みたいなオブジェですが、所々に漢字が見えます。例えば、「男」「福」「森」など。
現地でぜひ他の漢字も探してみてください。

Jaume Plensa, Ainsa IV, 2015

横から見ると膝を抱えている人の様なアートでした。アートを見るときは、いつも作者のメッセージを受け取ろうと想像してみるのですが、ちょっとよくわかりませんでした。

膝を抱えているから辛いことでもあったのかな?
各国の文字(アルファベット)が使われているから、みんなひとつになって仲良くしようということかな?
膝を抱えていても上を向いていることから、ポジティブに行こうということかな?

やはりよくわからなかったので、凡人を痛感いたしました。でも凡人が実は1番幸せなのです(負け惜しみです)。

その後、Artipelagの建物に急いで戻ります。

波のない穏やかな海を横目で見ながら、バスの時間に間に合うか?と私の心は穏やかではありません。

そして、早足からの競歩となりました。

歩き続けたら、やっとArtipelagの建物が見えてきました。バス発車の10分前。間に合いました!

ちなみに耳なし芳一からArtipelagまでは、競歩で10分ほどだったので、ゆっくり歩いたら20-30分位かかると思います。

お土産ショップ

お土産ショップの写真は、到着してすぐに撮っておきました。

広々したお土産ショップ
ゴッホのグッズ。本物のゴッホの絵を見たかったです。
トイレの手洗い場までアート
外のひまわり

Artipelagのインフォメーション

住所 : Artipelagstigen 1, 134 40 Gustavsberg
地図 : Googleマップで見る
HP : https://artipelag.se/

今回の”I Follow the Sun”の展示は大大満足でした。今回だけでなく、Artipelagの展示はどれも素晴らしいので、毎回楽しみにしています。

外の遊歩道も素晴らしくて、木々に囲まれてリフレッシュ。バスの時間に間に合わせるために、帰り道は競歩でしたが、普段動かないので良い運動になりました。

この後、陶器で有名なグスタフスベリにバスで向かいました。その話も併せてご覧ください。

コメント

  1. 近藤和子 より:

    ステキな美術館ですね。
    日本の美術館はやはりいつも人が多くて、流されるように進まなければいけないこともあります。😅
    こんなに静かな雰囲気でゆっくりいられたら素敵ですね。😍
    写真に車いすの方が写っていたので、ぜひ、訪れてみたいです。👩‍🦼
    直通バスは観光バスのようでしたら車椅子は無理かもしれませんね。
    でも、バスの乗り継ぎでのんびり行くのも楽しそうです。ありがとうございました😊

    • しろくま しろくま より:

      そうですね、日本の美術館に比べるとこちらは人が少なくてゆったりと楽しめます。

      直通バスは仰るように狭いし階段があるしで難しいかもしれません。
      ストックホルムからArtipelagまでは、観光フェリーがあると聞きました。
      片道1時間半かかりますが景色を眺めながら行ける様です。

      私はこの路線に乗ったことがないので、お勧めして良いかどうかわかりませんが、参考までにurlを載せますね。
      https://www.stromma.com/en-se/stockholm/excursions/day-trips/boat-trip-to-artipelag/

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