ストックホルム観光を楽しんで、ガムラスタンを歩いたり名物のミートボールを食べたりしたあと、次は列車で地方都市に行ってみたい!と思うかもしれませんね。
でも、
チケットはどこで買うの?
トイレや食事はどうするの?
荷物置き場はあるの?盗まれない?
など、はじめての時は「どんな感じなの?」と考えてしまうかも。
私が初めてスウェーデンの長距離列車に乗ったときは、乗る前からひたすら不安でした。そもそも乗り場すらわからなかったです。
なので、私の体験を元に、「スウェーデンの長距離列車に乗る前に知っておくと安心なこと」をまとめてみました。
スウェーデンの長距離列車の7つのこと
今回は、ストックホルム発着のSJとSnälltågetについて説明します。
SJは、スウェーデン国内の主要都市を結ぶ鉄道会社で、ストックホルムからヨーテボリやマルメ、北部のキルナなどへ運行。
Snälltågetは、スウェーデンを走る長距離列車のひとつで、夜行列車も運行しています。ストックホルムからマルメやヨーテボリ、冬はスキーで有名なオーレ方面へも走っています。
他にはVRというストックホルムとヨーテボリを結ぶ列車もありますが、今回は省いています。

チケットの予約
SJのチケットですが、私はいつもオンラインで買っています。カード(VISA、MasterCard、Eurocard、Amex)で支払えます。
スウェーデンでオンライン決済をすると、BankIDという、スウェーデンの銀行口座を持ってる人専用の認証が必要なこともあるのですが、外国からでも買えるはずです、、、きっと(?)
前回チケットを買った時に、BankIDが必要だったか忘れちゃいました(すみません!)。次回乗るときにちゃんと確かめてきますね。
もしオンラインで「カード決済できない!」となったら、ストックホルム中央駅の正面入って左手にある有人チケット売り場でも買えます。

チケットの料金は一律ではなくて、時間や列車のスピードによって変わります。人気のない時間は、同じ路線でも安くなっています。
列車によっては、一等車と二等車があって、一等車を予約すると食事を運んでもらえるサービスを選ぶこともできます。そのぶん料金は高めです。
食堂車がある列車とない列車、車椅子対応車もあって、これらの情報はチケット購入画面に表示されます。
また、「Calm」という座席を選ぶと、周りの人も静かに過ごす必要があるので快適ですが、その分料金は少し高くなります。
オンラインチケット
SJの予約
Snälltårgetの予約
ストックホルム中央駅発着の電車3つ
乗り場
乗り場についてですが、今回は「ストックホルム中央駅発着の列車」について書いています。
ストックホルム中央駅の正面から入ると、大きな電光掲示板があって、電車の発車時刻やプラットフォーム番号を確認できます。

ストックホルム中央駅の正面入り口を入って、一つ下のフロアにCOOP。
そのCOOPの斜め前くらいに長距離電車の電光掲示板があります。
ここで自分が乗る電車がどのプラットフォームか確認しましょう。
私は、このCOOPで電車内で飲むドリンクや食事を買っています。


電光掲示板に「Spår」と表示されているのは、プラットフォームのことです。
例えば「Spår 11」と書かれていれば、11番の乗り場に行けばOK。

注意点3つ
注意点は3つあります。
注意点1
慣れればなんてことないのですが、電車は時間になるといきなり出発します。
発車ベルは鳴らないので、「え?もう動いてるんだけど!?」って思うかもしれません。
注意点2
長距離列車には改札がないので、チケットがあればそのまま乗車して大丈夫です。
列車が動き出したあと、乗務員さんがチケット(QRコード)を確認しにきます。
注意点3
日本の新幹線みたいに、プラットフォームに「何号車の停車位置」なんて表示はありません。
なので、プラットフォームのどこで待てばいいのか最初は挙動不審でした。
今はだいたいプラットフォームの真ん中あたりでスタンバイして、電車が来たらドアに書いてある列車番号を血眼で探して乗り込んでいます。
そして、「日本の電車システムってなんて素晴らしいの!」と毎回思っています。
SJ X2000
SJといっても列車のタイプはいくつかあります。
「SJ X2000」はちょっと速くて快適で、「Intercity」は停車駅が多い普通の長距離列車。
X2000はスピードも出るし、食堂車もあって、一等車も二等車もそろっています。
節約したい時はIntercityで、多めに払っても早く着きたい時はX2000にしています。
ちなみにSJの予約画面に出てくるSnabbtågのSnabbは「はやい」という意味です。

座席
「SJ X 2000」の座席は広々していて結構好きです。
頭があたるところにカバーが付いているのですが、これを毎回交換しているのかは不明です。



前の座席の板を倒すとテーブルになります。

私は潔癖なのかも?と思いながら、席に着いたらまずテーブルを除菌します。
コロナ前だったら「この人なに?」と思われたかもしれませんが、今は誰も気にしてない感じで、サッと拭いてもスルーされますし、除菌ティッシュも市民権を得た気がします。
窓際にはビニール袋が置いてあって、席の横には小さい照明のスイッチがあります。
冬はすぐ暗くなるので、自分専用のランプがあるのは助かります。ちょっと飛行機っぽいですね。


コンセント
座席と座席のあいだにコンセントがあるので、ここで充電できます。
日本のとは形が違うので、変換プラグを持ってきてくださいね。「挿さらない!」ってなると悲しすぎるので。

今のスマホやパソコンの充電器はだいたい100〜240V対応していると思いますが、一応小さい字で書いてある電圧をチラッと確認しておくと安心だと思います。
↓変換プラグはこれ
WiFi
WIFIもありますよー。パスワードもないのでかんたんに接続できます。速度はやや遅め。

食事
予約画面に「ナイフとフォーク」のアイコンがあれば、その列車には食堂車があります。だいたい真ん中あたりの車両にあります。
私は食堂車で食べたいものが見つからないので、カフェラテや食事を持ち込みます。
ストックホルム中央駅のCOOPのお惣菜や、駅周辺のお寿司をテイクアウトして持っていくことが多いし、おすすめです。

ストックホルム中央駅のCOOPでは、量り売りのお惣菜を詰め込むのが恒例。
トマト、パプリカ、エビ、サーモン、ゆで卵、コーンあたりが定番です。


そうそう、フォークは別売りなので、自分のものを持参するのも良いと思います。
トイレ
まだ乗ったことがなかった頃は、「トイレまでどのくらい遠いのかな?」って思っていました。
でも、各車両にあるみたいで一安心したのを覚えています。
荷物を置いたまま席を長く離れるのってなかなか不安ですよね。

荷物置き場
荷物ですが、本格的な荷物置き場というよりは、「空いてるところに適当に置いてくれ!」って感じであんまり好きじゃないです。
このあと紹介しますが、ちゃんとした荷物置き場がある列車もあります。
それらの区別ってどうなってるの?とよくわかりません。

SJ InterCity
次はSJ InterCityです。
黒くて渋い車体で、昔っぽい。おじいちゃんトレインってところでしょうか?
だからなのかゆっくり走るし停車駅も多いです。

私が乗ったこの日のSJ InterCityは、食堂車がなかった上に、道中で突然立ち往生したので、飲み物や食料をたくさん持ち込んでよかった!と思いました。
日本ではありえないかもしれないですが、SJは遅延することで有名です。
遅延してもいいように、というか遅延するものだと思って準備して乗り込んでいます!

座席
SJ InterCityの座席もX2000と同じ感じで、座り心地は結構良いです。

荷物は頭上の網棚にのせます。


コンセント
コンセントは窓側に2つあります。
あれ?じゃあ通路側の人のコンセントはどうするのだろう?とこれを書きながら思いました。

はい、また出てきましたけど、変換プラグをお忘れなく!
WiFi
WIFIはパスワードなしで使えましたが、とにかく遅くて遅くて、自分のキャリアの通信を使いました。

いつでもどこでもWiFiを使いたいという人には、airaloの使い放題があります。
【図解付き】Airalo eSIMの使い方|日本一時帰国&海外旅行で即ネット接続
食事
私が乗ったSJ InterCityは食堂車がありませんでした。
食堂車に行くのが好きではないので、私は全然構わないし、食事は持ち込みます。
本当は、日本の駅弁みたいなものが食べたいのですが、ここスウェーデンに駅弁があろうはずもなく、Poke丼持参です。
それか、お寿司を持ち込みます。お米があれば駅弁に近づける気がします。

トイレ
トイレですが、この日、乗車してすぐに入ったトイレがハンドソープ切れでした(スウェーデンあるある)。
こういうことは珍しくないので、私はいつも除菌セットを持ち歩いています。

荷物置き場
SJ InterCityは荷物置き場がちゃんとありました。

Snälltåget
Snälltågetはスウェーデン国内だけじゃなくて、コペンハーゲンやドイツのほうまで行く列車もあるらしいです。
私はまだスウェーデン国内しか乗ったことがなくて、「ドイツまで乗ったらどんな感じなんだろう?」と、ちょっと憧れつつ様子見しています。

車体は、今まで出てきたSJの列車と比べるとかなり年季が入っています。良く言えばレトロ。


座席
座席は可もなく不可もなく普通の席で、車内に漂うレトロ感がマニアにはたまらないかもしれません。



Snälltågetは普通席のほかに、コンパートメント席があります。
6人掛けの席で座席と通路がカーテンで仕切られていて、個室っぽい。

6人で一緒に旅をするならおすすめですが、そうでない場合は結構きついかも。
私は2組のカップルと同じコンパートメントだったのですが、隣の人たちがずーっとしゃべっていました。
「黙ったら死んじゃうの?」ってくらいずっとしゃべっているので、この日ワイヤレスイヤホンを忘れたことをずっと後悔してました。
「いつも持ち歩いているのに、なんで今日に限って忘れたんだろう」ってずっと後悔!


コンパートメントだからと追加料金を払うこともなかったので、好奇心で選びましたが、もういいかな。
次は普通の席を選びます。
とはいえ、コンパートメントは静かに過ごしたい人にはキツイ空間だけど、交流好きの人には良いかもしれません。

コンセント
コンパートメントの席ではコンセントを見つけられなかったのですが、モバイルバッテリーがあったので充電はできました。
充電できなかったら死んでました。
北欧旅行にも日常にも◎フィリップスの小型モバイルバッテリーはスマホに直差しOK
WiFi
フリーWiFiはつながったのですが、とにかく速度が遅くてかなりイライラ。

eSIMで、いつでもサクサクとネット接続する手もあります。
【図解付き】Airalo eSIMの使い方|日本一時帰国&海外旅行で即ネット接続
食事
Snälltågetのレストラン(Krogen)には2つのスタイルがあります。
1つは、テーブルを予約して、ちゃんとした食事を食べるタイプ。朝食もあって、11時まではモーニングも食べられます。
もう1つは、セルフでササッと買うタイプ。コーヒーやサンドイッチ、お菓子などを取って、カードでピッと払います。
「今日はしっかり食べたい」or「とりあえず軽く済ませたい」かで選べます。
食堂車について詳しくはこちら
私は食堂車で食べたいものがないことと、そこまで行ってる間の荷物が心配なので、いつも持ち込んでいます。
私が持ち込むのは、だいたいお寿司かPoke丼です。駅弁気分を味わいたいので。
スウェーデンは、冬だけじゃなくて夏もうっすら涼しいので、乗車直前にお寿司を買って、しばらくしてから食べても今のところ食あたりはゼロです。

トイレ
Snälltårgetにも勿論トイレはありますが、古さは否めないです。
車両自体がレトロなので、もうしょうがない。

荷物と防犯対策

初めてスウェーデンの長距離列車に乗ったとき、いちばん気になったのは「荷物の盗難があるのか?」でした。
「置きっぱなしで大丈夫なの?」「トイレから戻ってきたら無くなってるんじゃ?」と、めちゃくちゃ疑っていました。
でも今のところ、列車で荷物を盗まれたことは一度もありません
気をつけていることはこんなことです。
・トイレに行くタイミングに注意。駅に着く直前は絶対トイレに行かない。
・列車が動き出して、次の駅まで1時間!というタイミングでトイレに行く。
・PCが入った荷物を網棚や荷物置き場に置いたままトイレに行かない。必ずトイレまで持っていく。もはや相棒です。
と、このくらい。

それでも荷物が心配な人は、ワイヤーロックやAirTagを仕込んでおくと安心かもしれません。
それと、私はリュックよりスーツケースの方が安心だと思います。
リュックって上からチャックを開けられるけど、スーツケースなら荷物置き場に置いていても、そう簡単に開けられないので。
↓このワイヤーロックは、お守りがわりに持ち歩いています。
本当は複数人で乗って、見張り合えるのが理想なのですけどね。
1人のときはちょっとだけ用心が必要かなと思います。
↓こんなエアタグで荷物を追跡!
長時間移動を快適にする便利グッズ

ここからは、長距離移動に私が持っていくものです。
長距離列車に何時間も揺られるなら、準備はとっても大事!
とはいえ、飛行機みたいに「ネックピローにアイマスク!」みたいな気合いはいらないと思います
本気で寝ている人は見たことないです。でも、ちょっとウトウト、みたいな人はけっこういます。
それより持ちこんでほしいのは、静かな時間を死守するグッズです。
ワイヤレスイヤホンか、ノイズキャンセリングのヘッドホンは持参して後悔することはないと思います。
先に書きましたけど、これらを忘れた時は、隣がうるさくて自分を責めました。
たまに、壊れたラジオみたいにずっと喋っている人がいるのです。
あと、この記事の始めに出てきたSJ X2000では、隣にずーーーーーっとオンラインミィーティングをしている人がいてうんざりでした。
なので、寝る準備よりも耳を塞ぐなにかを持参するのをおすすめします。最悪ティッシュを耳に詰めてもいいと思います(?)
私が推しているAnkerのワイヤレスヘッドフォンは、余計な音が入ってこないので愛用しています。
耳当てのところがちょっと畳めるのもいいんですよね。
次はマグボトルです。
食堂車まで行くのは面倒だし、荷物も心配なので、私はトイレ以外はずっと席にいます。
でも、乗車の直前にカフェでコーヒーを買って、マグボトルに入れてもらって持ち込むと、車内でカフェ気分になれるのでおすすめです。
イノベーターのスーツケースはスウェーデン発です。
警告しておきたいこと3つ

遅延を楽しんで!
SJは遅れることで有名です。遅延が多すぎて、もはや「遅れますけどそれが何か?」ぐらいの堂々たる遅延です。
定刻発車したら逆に「今日はどうしたの?」って心配になるほど遅延が頻発します。
今回の記事で紹介している列車も、5分から1時間15分遅れました。
本当かどうか、知り合いにスウェーデン人がいたらちょっと聞いてみてください。
「S Jは遅延なんかしないよ?」っていう人がいたらそれはたぶん、偽スウェーデン人か、S Jの回し者ですね。
私は、遅延することを前提に、食料や飲み物を多めに持ち込んでいます!
揺れを楽しんで!
揺れもなかなかすごいです。路線によるのかな?とは思いますが。
スウェーデンの電車しか知らないなら大丈夫かもしれませんが、私は日本の新幹線に慣れているので、揺れっぷりにびっくりします。
一度、テーブルに置いたコーヒーが、スルスルーっと流れていって、隣の人の方が手で止めてくれたこともありました。
いきなり発車!
スウェーデンというか、ヨーロッパの鉄道あるあるかもしれませんが、発車ベルは永遠に鳴りません。
心の準備ができていなくても、いつの間にか動き出して風景が流れていきます。
さいごに
最初は、「プラットフォームはどこ!?」「プラットフォームのどこで待ってればいいの!?」「私の席はどこ!?」「荷物なくならない!?」ってドキドキすると思います。私はドキドキでした。
でも、いざ列車が動き出したら、コーヒーを片手に景色を楽しむだけ。隣が喋りまくってもイヤホンで防御して自分の世界へ浸りましょう。
最初のドキドキさえ乗り越えれば、揺れる車内も、安定の遅延も、喋りすぎの隣も、全部まとめて楽しい旅の思い出になります。(なります?)
ストックホルムの交通事情や地下鉄アートの記事もあわせてごらんください!




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