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【ストックホルムの貴族の館】圧倒的な紋章の壁とフェルゼンの肖像画!

ガムラスタンとその周辺 : Gamla Stan

こんにちは、ストックホルムマニアのしろくまです😊

ストックホルム・ガムラスタンの端にある貴族の館に行ってきました。

「開館は平日の11時〜12時だけ」というハードル高めな場所でなかなか行けなかったのですが、ぽっかり時間ができたのでササッと訪問。

入った瞬間、壁の紋章の迫力に圧倒されました。あんまり期待しないで行ったのに、「え?意外とすごいかも!?」と、突然テンションが上がりました。

思いがけずフェルゼンの肖像画も見つけてしまって、ベルばらファンとして小さく歓喜。

小さな館なので1時間で十分楽しめるし、静かでちょっとだけ貴族気分も味わえます。

ストックホルム観光で、時間を作って寄ってみると楽しいと思います。

貴族の館のエントランス

貴族の館は、スウェーデンの貴族たちの宮殿です。宮殿といっても王様が住んでいるわけではなくて、現在は歴史的遺産を保存して守っていくための組織となっています。

建物は、1641年から1672年までかけて建設されました。30年っていうと大工さんの子供も学校卒業して社会人になっちゃうくらいですね。

それで、「やっと完成したー!」と思ったら、1870年に今度は建物に両翼をつけて完成させたそうです。

30年かけて作ってさらに後から翼を足すって、なかなか贅沢ですね。

グスタフヴァーサ像
グスタフ・ヴァーサの像

それでは中に入ってみましょう。

重厚な扉を開けると静かな空間が広がっていました。

貴族の館のエントランス
気品あふれるエントランス

誰もいないのでちょっと不安になります。

階段を上がってみましょう。

貴族の館の石の階段
貴族の館に飾られた大きな絵

階段を上がったところに受付がありました。ここで入場料を支払います。

受付の方に「説明書きがあるんだけど、スウェーデン語と英語とどっち良いですか?」と聞かれました。

「じゃあ、、日本語で?」とボケたら、「日本語ね。ちょっと待ってね。引き出しにあるから。」と、引き出しから日本語の説明文を出して渡してくれました。

「日本語?ないですよー!」っていうツッコミを期待していたのに、思いがけず日本語の説明文が出てきて、びっくりするやら嬉しいやら、ノリツッコミが成立しなくて悲しいやら。

貴族の館の日本語の説明書き
日本語の説明文。グシャグシャですみません。

圧倒的な紋章の壁:The great hall of the House of Nobility

では大ホールから見ていきましょう。

このホールは、1668年から1865年まで、貴族さんたちが「会議やるよー!」と集まっていたそうです。

それで、今も3年に一回貴族議会をやるらしいのですけど、3年も空いたら前回のこととか忘れちゃわないんですかね?

紋章で埋め尽くされた貴族の館の壁
The great hall of the House of Nobility

とにかく圧巻の壁で「え?なにここ?」と呟いてしまいました。

四方の壁にズラッと2,331家の紋章があって、そのうち663家はスウェーデン国内外に今も存命の家族がいるそうです。

多すぎて誰が誰だか分からないですね。

紋章が飾られた壁と青い長いす

紋章をじっくり見ていたら、係の方が現れて「お探しの紋章があったらいってくださいね!場所を案内するので!」と優しかったのですが、そもそもどの貴族も知らないので、「あ、大丈夫です、、。」と言うしかなかったです。

紋章が並ぶ貴族の館の館内

どの貴族も知らなかった割に、一つ一つの紋章を見るのは楽しくて、じっくりと見て回ってしまいました。

壁の紋章
馬が描かれた紋章
ライオンが描かれた紋章
鹿が描かれた紋章
人間の顔は描かないで、兜を被せるスタイルっぽい

紋章学なんてあるのですね。初めて知りました。

天井を見上げたら、1670~1675年に描かれた絵がありました。

説明によると、「スウェーデンを象徴するスヴェア母が金の玉座に座って、三美神が王冠持って浮かんで、トランペット吹くファーマは栄光を告げ、エテルナは永遠の命をもたらす」ということでしたが、天井が忙しすぎますね。

貴族の館の天井の大きな絵
金の玉座に座るスヴェア母と、ずっと見上げていて首が痛くなった私
王冠を持つ3人の女性の絵
王冠を持って浮かぶ三美神

この大広間だけで情報量が多すぎでやや混乱しましたが、一方ですごく満足です。

でも、階段を下りられる様だったので、階下へおりてみました。

貴族の館から見える中庭の芝生
窓から見えるストックホルム
貴族の館の木の階段
この先は一体?
貴族の館の紋章
階段の途中にも紋章がびっしり大渋滞

元帥の控室:The ante-room

はい次の部屋にきました。

ここには17世紀のスウェーデンの政治家や戦士の肖像画が4枚飾られています。

4枚って少ないって思いましたが、厳選してるんでしょうね。

貴族の館の控室
貴族の館の控室のシャンデリア
貴族の館の絵画
Lennart Torstenson
貴族の館の絵画
Claes Fleming

ちなみに肖像画の1人、アクセル・オクセンスティルナ(Axel Oxenstierna)は、ティーレソー城(Tyresö Slott)を建てたガブリエル・オクセンスティルナ(Gabriel Oxenstierna)の兄弟です。

貴族の館の絵画
Johan Skytte
アクセル オクセンスティルナの絵画
Axel Oxenstierna

控室には、昔のストックホルムの絵が飾られていましたが、絵の中の男性に感情移入してしまいました。

昔のストックホルムの絵画
この絵の右下の男性が気になる
頭を抱える男の絵
泣いてるの?落ち込んでるの?大丈夫?
貴族の館の控室の肖像画とシャンデリア

元帥室:The Marshal’s Hall

それから奥に行って元帥室に来ました。

18世紀にスウェーデン国会の秘密委員会が会議をやっていた場所なんですって。

極秘事項を決める部屋ってことでしたが、コソコソと何を決定していたのでしょうか。

肖像画がずらりと並ぶ貴族の館の元帥室

壁には、17世紀と18世紀の元帥の54枚の肖像画が飾られています。

元帥とは、議会で貴族院の議長を務める人で、国王に任命されるか貴族たちが選ぶそうです。

貴族の館の元帥室

肖像画が54枚もありました!

で、各肖像の下には「いつ議会をやっていたか」が書いてあるのですが、54枚もあると読むだけで頭がクラクラしてきます。

茶色い壁に白い壁の貴族の館の元帥室

公式サイトによると、有名な元帥は以下の皆様だそうです。

  • ペール・ブラーエ伯爵
  • ヨハン・ギュレンスティエナ伯爵
  • アルヴィド・ホルン伯爵
  • カール・グスタフ・テッシン伯爵
  • アクセル・フォン・フェルゼン伯爵

私には誰が誰だが、、ですが、フェルゼンだけは知っています!ベルばらで!

繊細な装飾が施された貴族の館の天井

ちなみに、元帥の役職は1866年に廃止されています。

貴族の館の暖炉と肖像画

今は、貴族院の家系の人たちが、パーティー会場としてここを使ってるらしいです。

54枚の議長肖像画に囲まれて宴会って緊張しそうですね!

フェルゼンがいた!

フェルゼンですが、元帥ホールの暖炉の右側にいました!

貴族の館にあるアクセル フォン フェルゼンの肖像画
フェルゼンがいた!

当たり前だけど、ベルばらのフェルゼンと全く違う。当たり前ですが。

アクセル フォン フェルゼンのネームタグ
Axel Von Fersen
壁に飾られたフェルゼンの絵画
暖炉向かって右側にフェルゼン

シャンデリアの細かい装飾も素敵でした。

貴族の館のシャンデリア
貴族の館の丸いシャンデリア

天井の装飾も素晴らしいので、見上げてみてください。

貴族の館の白い天井
天井も忙しい
貴族の館の白い天井に描かれた女性
首痛い、でも見上げずにいられない
貴族の館にあるグスタフ ルードベックの肖像画
Edsbergs城の現在の石造の城の建設を主導したThure Gustaf Rudbeck
貴族の館の兜

金閣寺やお皿の部屋:The Blue Room

上階の官邸には「青の間」があって、スウェーデン貴族の紋章が描かれた陶磁器が約300点も収蔵されています。

貴族の館のブルールーム
The Blue Room

で、お皿をじっくり見ていたら、急に目の前に金閣寺のミニチュア模型が現れました。

貴族の館にある金閣寺のミニチュア模型

最初「え?ここストックホルムだけど?なんで金閣寺?」と、びっくりしたのですが、説明を読むと日本からプレゼントされた様です。

金閣寺のネームタグ
贈り主は Hitoshib Satohさん。「b」はたぶんスペルミスかな

ミニュチュアサイズとはいえ、北欧の景色に金閣寺がポツンと置かれているのがシュールでした。

でもなんでSatohさんは、スウェーデンに金閣寺をプレゼントしたのだろう?そして、それを愚直に飾ってくれているスウェーデンの人たちにありがとう。

貴族の館の室内
貴族の館の模型
貴族の館の模型

ところで、ブルールームの磁器コレクションは、コルク製造で財を成した領事、ヤルマール・ヴィカンデルさんから1930年に寄贈されたそうです。

このコレクション、スウェーデン最大級の東インド紋章磁器コレクションの一つらしいです。

たくさんの食器が飾られた貴族の館の棚

青の間にはガラス張りのキャビネットがあって、約3,000点の印章と紋章指輪が並んでいて、伯爵家、男爵家、貴族家ごとに分けられてるとのこと。

3,000点って、もう業者の倉庫ですね。

スウェーデン国旗があしらわれたお皿とカップ
棚に飾られたたくさんのお皿
貴族の館の印章
一つずつ違う印章
貴族の館のブルールームにある肖像画
貴族の館にある肖像画

トイレ

で、トイレが意外とアドベンチャーでした。

車椅子トイレの横の階段を降りると、アーチ型の廊下があって、さらに下に続く階段があります。

トイレを探すだけなのに、冒険っぽくない?迷路っぽくない?と思ってワクワク。

白い壁の階段を降りると背の高い木製の扉が出てきます。その扉にはシンデレラみたいな女性のマーク。これが女性トイレでした。

男女別のトイレも嬉しかったです。ストックホルムのトイレは男女共有が多いので。

貴族の館の車椅子用トイレ
右手のドアは車椅子用トイレ
貴族の館のトイレへ続く石の階段
さらに階段を下りる
貴族の館のトイレの木の扉
シンデレラみたいなマークのついたトイレのドア

この日はなぜか誰もいなかったのです。開館時間が1時間だとそうなっちゃいますよね。

でも、誰もいないってちょっとドキドキします。

トイレまで歴史的建物の雰囲気が満載でした。

Stenhallen

はい、帰る前にもう一度石のホール(Stenhallen)を見ていきましょう。

石のホールは、スウェーデン初の二段式階段を持つ記念碑的なホールで、1668年に初めて使われたそうです。

貴族の館のスウェーデン初の石の階段
スウェーデン初の二段式階段
貴族の館のお花が飾られたエントランス
気品漂うエントランス

階段を上がったところに、グスタフ・セダーストロームによる歴史画もあります。

制作は1912年で、1658年にベルト地帯を渡るスウェーデン軍を描いてるんですって。

貴族の館の幅広の石の階段
Gustaf Cederström作の大冒険(Stora äventyret)
国立美術館の絵画
国立美術館にある「スウェーデン国王カール12世の葬送」

階段の絵ですが、なんとなく見覚えあるな?と思って調べてみみたら、グスタフ・セダーストローム(Gustaf Cederström)の絵。

グスタフ・セダーストロームは、国立美術館にある「スウェーデン国王カール12世の葬送」を描いた人でした。その時の記事

100年くらい前の絵がこうして今も残っていて、たくさんの人に見られているのが羨ましいなと思いました。

ゴットランド産の砂岩で出来た階段は、年季が入っていてツルツルしていました。このツルツルに歴史を感じます。

貴族の館のツルツルの石の階段
この階段はたくさんの人が通ったんだなぁ
貴族の館のカラフルな椅子
この椅子は?

Riddarhuset(貴族の館)
住所 : Riddarhustorget 10, 111 28 Stockholm
地図 : Googleマップで見る
HP : http://www.riddarhuset.se/
月~金: 11:00-12:00
入場料:大人60クローナ、学生・シニア40クローナ
※公式サイトには、2025年12月まで改装工事のため閉館と書かれていますが、普通にオープンしていました(2025年9月)

支払いはクレジットカードのみ(現金払い不可)
※エレベーターがないので、車椅子はかなり厳しいと思います

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さいごに

貴族の館は開館時間が短すぎますが、行ってよかったです。

建物の外から見ていたときは、「中ってどうなってるんだろう?」とずっと思っていましたが、中に入ってひと目で好きになりました。

圧巻の紋章とフェルゼン画、居並ぶ肖像画と、静寂とぜんぶが好きな感じ。

小さい館内の割に情報量が多すぎて疲れましたが、それは心地よい疲労でした。

ちょっと高貴な貴族気分に浸った後は、平日の安いランチを食べに教会へ。貴族気分から庶民モードに切り替わる瞬間の落差がすごい。でも庶民が1番幸せなんですよね。

この日の教会ランチや、ガムラスタンのお散歩の記事もご覧ください!

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