私はストックホルム王宮が大好きなので、まだ行ったことがない人にその魅力を知ってもらいたいと思ってこれを書いています。
王宮の魅力はなんと言っても、現代から中世へ一瞬でトリップできるところです。
バロック様式で建てられた王宮は、600以上の部屋数を誇ります。今回撮影した写真の数は200枚を超えましたが、その中から厳選した62枚を載せてみます。
長くなりますが最後まで読んでいただければ、王宮の魅力が伝わると思います。そう願っています。←伝わらなかったら悲しい。
ガムラスタンにあるストックホルム王宮は、昔は王族が住んでいたこともありましたが、現在は国王が執務を行う場所となっています。
また、国王が執務を行う一方で、年間を通して一般に公開されている珍しい王宮でもあります。
- 州議事堂 : The Hall of the State
- 騎士団のアパート : The Apartment of the Order of Chivalry
- ベルナドッテ アパート : The Bernadotte Apartments
- 衛兵の間 : The Guard’s Chamber
- エンパイア サロン : The Empire Salon
- マルガレータルーム : Margareta room
- 内寝室 : Inner Bedchamber
- 大寝室 : The Great Bedchamber
- カール16世グスタフ国王記念室 : King Carl XVI Jubilee Room
- ヴィクトリアの応接室 : The Victoria Drawing Room
- オスカー 2 世の書斎 : Oskar II’s Writing Room
- ロヴィーサ・ウルリカ女王の謁見の間 : Queen Lovisa Ulrika’s Audience Chamber
- ロヴィーサ・ウルリカ女王の控え室 : Lovisa Ulrika’s Antechamber
- ロヴィーサ・ウルリカ女王のダイニングホール : Lovisa Ulrika’s Dining Room
- メリガーサロン : The Meleager Salon
- ステートアパート : The State Apartments
- 天皇陛下からの手紙
- トレクロノール博物館 : Museum Tre Kronor(地下)
- ショップ : Butiken Kungliga Slottsboden
- チラッと衛兵交代
- 宮殿の外
- ストックホルム王宮のインフォメーション
州議事堂 : The Hall of the State
この部屋は、1755年の国会に間に合うように作られて、長年にわたり多くの重要なイベントが行われてきました。
また、1974年までは、国王が毎年ここで伝統的な儀式をして議会を始めていました。今でも公式な儀式に使われています。
例えば、1973年9月19日のカール16世グスタフ国王の即位です。他には、2010年の王太子妃夫妻の結婚披露宴もここで行われました(ちなみに結婚式は、ストックホルム大聖堂です)。
見どころは、クリスティーナ女王の立派な銀の玉座。1973 年 9 月の即位の際に国王が座った場所です。
銀の玉座は、アウクスブルクの金細工師が製作しました。木製の骨組みで、全体が銀で覆われています。背の高い支えの上には正義 (Justitia) と知恵 (Prudentia) の化身が立っています。
騎士団のアパート : The Apartment of the Order of Chivalry
騎士団の部屋では、スウェーデン王室の勲章の常設展示が行われています。王妃の衣装も見ることができます。
ベルナドッテ アパート : The Bernadotte Apartments
ベルナドッテ アパートは北棟にあり、14 室で構成されていて、美しいインテリアや家具は必見です。現在も公務や公式行事に使用されていますが、一般公開もされています。
それでは、一つずつ部屋を見ていきましょう。
衛兵の間 : The Guard’s Chamber
衛兵の間は2つあります。かつて王宮の衛兵が詰めていた場所で、現在は観光客に公開されています。
下の写真の戸棚の上の肖像画は、ウルリカ・エレオノーラ1世女王が描かれています。モザイクのテーブルは、1870年代の物。
エンパイア サロン : The Empire Salon
エンパイア サロンは、元々はフレドリック・アドルフ公爵の控えの間でしたが、現在はサロンになっています。
椅子とソファは、1823 年のオスカー 1 世王子とヨゼフィーナ王子の結婚式のために作られました。
マルガレータルーム : Margareta room
マルガレータ(1882-1920)は、グスタフ6世アドルフの最初の配偶者であり、カール16世グスタフの祖母です。彼女にちなんで、この部屋はマルガレータルームと名付けられました。
この部屋には、マルガレータが描いた絵が飾られています。
内寝室 : Inner Bedchamber
マルガレータの部屋から、内寝室へと続いています。この部屋は、もともとフレデリック・アドルフの従者たちのために作られたものです。
ピンクの壁にゴールドっぽいリネン類。思わず「可愛いー!」と呟いてしまいました。
現在は、スウェーデン訪問中の国家元首が、大寝室を使いたくない場合に、代替としてこの部屋に宿泊しています。
後に出てきますが、大寝室はすごく豪華なのです。そこを使いたくなくてこの小さな寝室に泊まりたいなんて、一体どこの国家元首なのでしょうか?気になります。
大寝室 : The Great Bedchamber
大寝室は、私がストックホルム王宮で2番目に好きな部屋です。この部屋は、現在ゲスト用アパートとして使用されています。
赤でまとめられているのに、落ち着いた部屋。豪華なシャンデリアにシックなソファーやテーブル。
全部が素敵。泊まってみたい。
カール16世グスタフ国王記念室 : King Carl XVI Jubilee Room
次の部屋は、2001年6月6日にオープンした、カール16世グスタフ国王記念室です。この部屋のテーマは、”スウェーデンの夏の日”。
テーマのとおり、爽やかな夏の感じがします。オープンして間もないとあって、王宮の中で1番現代的な部屋に見えました。
ランプも今風で格好いいですよね。
ヴィクトリアの応接室 : The Victoria Drawing Room
この部屋は、もともとアドルフ・フレデリック王が、応接室と謁見室として使用していた場所です。
鏡の両脇に建つのは、カール16世グスタフ国王とシルヴィア王妃の胸像で、それぞれ2006年と2013年に制作されました。
オスカー 2 世の書斎 : Oskar II’s Writing Room
オスカー 2 世の書斎は、1870年代のものです。室内に入ることは出来ないので、仕切り越しに見る様になっています。なんだか覗き見している気分。
ロヴィーサ・ウルリカ女王の謁見の間 : Queen Lovisa Ulrika’s Audience Chamber
ロヴィーサ・ウルリカ女王の謁見の間は、1754年にアドルフ・フレドリク王とウルリカ王妃が即位する直前に急いで作られました。なお、2人が結婚したのは、1744年です。
玉座は1751年にストックホルム大聖堂で行われたフレドリク王とウルリカ王妃の戴冠式のために作られ、20世紀になって初めてここに設置されました。
と、ここまでが王宮の公式の説明ですが、ということは、実際の謁見ではこの玉座に座っていなかったということでしょうか?気になります。
ロヴィーサ・ウルリカ女王の控え室 : Lovisa Ulrika’s Antechamber
謁見の部屋からは、ロヴィーサ・ウルリカ女王の控え室へ続いています。
写真はありませんが、この部屋にフレンチェスコ・ボッティチーニの少年の肖像画やピエロ・ディコジモの聖母子像などがあります。
天井の装飾も独特で面白いので、ちょっと見上げてみてください。
ロヴィーサ・ウルリカ女王のダイニングホール : Lovisa Ulrika’s Dining Room
ロヴィーサ・ウルリカ女王のダイニングホールは、現在は大規模なレセプションや公式会議に使用されています
例えば2022年12月11日、王室は、ロヴィーサ・ウルリカ女王のダイニングホールで、ノーベル賞受賞者とその配偶者のために小さなレセプションを開いています。
(参考 : Swedish Royal Court, The Royal Family host dinner for the Nobel Laureates, 2022, https://www.kungahuset.se/english/archive/news/2022-12-11-the-royal-family-host-dinner-for-the-nobel-laureates)
メリガーサロン : The Meleager Salon
サロンは現在、公式訪問の際の公式の贈り物や騎士団の勲章の授与に使用されています。
騎士団というのは、国家に対する重要な貢献や功績を讃えるために設立されたものです。
ステートアパート : The State Apartments
警備室 : The Guardroom
写真中央の絵には、1818年にストックホルム大聖堂で行われたカール14世ヨハンの戴冠式の様子が描かれています。画家のペール・クラフト・ヤンガーは、右下に自分自身も描いています。その遊び心がかわいいですね。
現在の王宮がある場所に、かつてトレクロノール城があったのですが、1697年5月11日に火災で消失しました。でも、北棟だけが炎を逃れることが出来たのです。炎は宮殿の上から塔の横まで広がり、あっという間に城全体に広がりました。
評議会室 : The Council Chamber
評議会の部屋は、私が王宮の中で1番好きな部屋です。とにかくキラキラしていて綺麗なのに、歴史的な決断もここで行われたというドラマティックな部屋なのです。
グスタフ3世の治世中、国王の主食堂としてこの部屋が使われていました。グスタフ3世は毎週ここで宮廷関係者を招いて、公の食事会を開催したということで、その様子を想像するのも楽しいです。
そういえば、王宮のキッチンってどこにあるのだろう?そこから運んできたらお料理は冷めないのかな?とか色々考えてしまいました。
また、この部屋では、歴史的な出来事もありました。第二次世界大戦中の1941年のことです。中立を保っていたスウェーデンですが、ドイツ軍の依頼を受け、彼らをスウェーデン国内を通過させるかどうかの激論が交わされました。
その結果、この部屋でグスタフ5世が、ドイツ軍の進行を許可する決定をしました。この出来事はミッドサマークライシス(Midsummer crisis)と呼ばれています。
そんな出来事を思いながらこの部屋を見渡すと、当時の国王や政府の人々の苦悩が伝わってくるような気がしてジーンとします。
カール国王(写真手前左)とヴィクトリア王太子(写真手前右)や政治家。
謁見の間 : The Audience Chamber
グスタフ3世が公式訪問客を迎える際使用したのが、謁見の間です。
風景画のタペストリーは、1650年のクリスティーナ女王の戴冠式のために織られました。
現在では、謁見の間は儀式や晩餐に使用されています。
グフタフ3世の寝室 : The Gustav III’s State Bedchamber
次の部屋は、グフタフ3世の寝室です。彼は、1792年にオペラ座の仮面舞踏会で襲撃され、この部屋で亡くなりました。
カール11世のギャラリー : The Karl XI’s Gallery
カール11世のギャラリーは、後期バロック式の部屋です。ここには、晩餐会用のテーブルを設置して、170名のゲストを招くことができます。
そして、このギャラリーはベルサイユ宮殿の鏡の間に倣って作られたと言われています。そう言われてみると、確かに鏡の間っぽいような。
天井の絵画と彫刻は、シャルル11世の治世へのオマージュです。
ソフィア・マグダレナの寝室 : The Sofia Magdalena’s State Bedchamber
次は、ソフィア・マグダレナの寝室です。1770年代に装飾されました。
天井には、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、アメリカの4大陸を象徴する女性像に囲まれたマザー・スヴェンが描かれています。と言いつつ、その写真がなくてすみません。
王妃がこの部屋で出産する時には、ナースと3人の男性が立ち合いました。本当に王妃から赤ちゃんが産まれてきたかどうかを確認するためです。
王妃って大変。
ドン・キホーテの部屋 : The Don Quixote Room
この部屋の名前は、セルバンテスのドン・キホーテの物語の場面を描いたタペストリーに由来しています。
タペストリーは、1770年代にパリのゴブランで織られました。
白い海 : The White Sea
The White Seaは、国王と女王が公式ディナーの前にゲストを迎える大きな部屋です。
2010 年には、ヴィクトリア王太子とダニエル王子の結婚舞踏会もここで開催されました。
上の写真の奥のバルコニーは、王と王妃の席だそうです。
壁際の棚の中の美しいシルバーの食器も必見です。
天皇陛下からの手紙
上皇陛下が天皇陛下時代に、カール16世グスタフ国王へ送った信任状が展示されていました。
ここでいきなり、王宮に仕事で出入りしているスウェーデン人から聞いた話をひとつ。
彼は国王と直接お話しする機会があるそうですが、「日本が好き。日本人は親切で優しいから。」とよく仰っているそうです。
日本人に向かって仰ったなら「お世辞かな?」と思ってしまいそうですが、スウェーデン人しかいない場所でそう仰るなら、本音なのかな?と、とても嬉しく思いました。
だからというわけでもないですが、私も国王一家が好きです。
こうやって、王宮に日本からの手紙を掲示してくれているのも、日本贔屓みたいで嬉しく思います。
トレクロノール博物館 : Museum Tre Kronor(地下)
室内を一通り見終わったら、地下に移動します。
地下にあるトレクロノール博物館は、城の最古の歴史を紹介する博物館です。
博物館は城の北側にあって、火災の際に最も被害が大きかった部分。
火災で消失する前の城の模型が展示されています。丸い塔が可愛い。燃えてしまって残念です。
ショップ : Butiken Kungliga Slottsboden
突然ですが、王室のギフトショップが好きです。
ドロットニングホルム宮殿とグリップスホルム宮殿にもあるのですが、クッキーが美味しいのです。シンプルなバタークッキーなのですが、サクサク加減がちょうど良くて、自分用にもお土産用にも買っています。
でも、梱包していても預け入れ荷物にすると日本に着いた頃には割れているので、ちょっと大変だけど手荷物で!
これでもか!という勢いで王冠グッズが売られています。王冠が可愛いマグカップ。王冠トレー、王冠ナプキン。
昔は王冠のしおりや王冠えんぴつもあったのだけど、今回は見つかりませんでした。
チラッと衛兵交代
実は私は、衛兵交代式が苦手です。初めて見に行った時に人混みに揉まれたのがきっかけです。衛兵が見える場所は人でギュウギュウだし、人がいない離れたところに立っていたら交代式は見えません。人との距離が近すぎるのが苦手なのです。
なので衛兵交代は詳しく紹介できませんが、情報は書いておきます!
ちなみに友達の情報によると、「途中で雨が降ってきたら人がパーっといなくなって、最前列で見れた!」とのことでしたので、雨が降りそうなタイミングで見に行くのもいいかもしれません。なかなか難しいけど。
衛兵交代式の時間 : 約 40 分間
平日 : 午後 12 時 15 分 〜
日曜日 : 午後 1 時 15 分〜
夏は毎日 (4/23から8/31まで)
夏以外は水曜、土曜、日曜 (9/1〜)
詳しくは、HPでチェックしてみてください。
衛兵交代の公式 : https://www.forsvarsmakten.se/en/activities/events/the-royal-guards/changing-of-the-guard/
宮殿の外
ストックホルム王宮のインフォメーション
住所 : Kungliga slottet, 107 70 Stockholm
地図 : Googleマップで見る
HP : https://www.kungligaslotten.se/vara-besoksmal/kungliga-slottet.html
ストックホルム王宮は、私にとって100点満点の王宮です。ストックホルムには素敵な場所がたくさんあって嬉しい。
ストックホルムを訪れた人に見てほしい場所はたくさんあるのですが、その中でもストックホルム王宮は特におすすめです。
どこを紹介してもおすすめって言ってるので信憑性がなさそうですが。でも、本当に本当にストックホルムはおすすめで溢れているのでしょうがない!
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