スウェーデンの街を歩いていて、カラフルな羽根の飾りやかわいい卵のお菓子を見かけると、春の訪れを感じます。
日本ではあまり馴染みがないかもしれないイースター。名前はなんとなく知っているけれど、「どんな日なの?」と思ったことはありませんか?
今回は、そんなあなたに、イースターの意味や楽しみ方をわかりやすく説明します!
イースターとは?
イースターは、イエス・キリストの死と復活を記念して祝われる日です。
イエスは「聖金曜日」と呼ばれる日に、十字架にかけられて処刑されましたが、その3日後に復活したとされています。
イースターは、もともとキリスト教の祝日でしたが、今日のスウェーデンでは、多くのスウェーデン人にとって春の訪れを祝う日となっています。
スウェーデン語でイースターは?
スウェーデンではイースターのことをポスク(Påsk)と言います。イースターの最中には、「グラッドポスク(Glad Påsk)!」と言い合ってお祝いします。
イースターはいつ?
宗派によってイースターの日にちが変わります。
「西方教会(カトリックやプロテスタント)」はグレゴリオ暦、「東方教会(正教会)」はユリウス暦を使うためです。日本で使われているのは、1年を365日としたグレゴリオ暦です!
2025年以降のイースターの日付(グレゴリオ暦/太陽暦の時)
・2025年4月20日
・2026年4月5日
・2027年3月28日
※参考:https://publicholidays.se/easter/
西方教会(カトリックやプロテスタント) | グレゴリオ暦 | 1年を365日とし、うるう年を設けた太陽暦 |
東方教会(正教会) | ユリウス暦 | 1年を365.25日とし、うるう年を4年ごとに設定 |
イースターの日の学校は?
イースターのある週は、スウェーデンの小学校や中学校は休みです。イースター休暇のことをスウェーデン語では「ポスクロオブ(Påsklov)」と言って、子供たちは休みを楽しみにしています。
私が知る限り、大学や成人学校は休みではありませんでした(これは学校によって違うかも)。
また、大人は金曜日から月曜日までの連休になることがほとんです。
イースター期間は、レストランやお店の営業時間が変更になることが多いので、お出かけ前に公式サイトなどでチェックしてくださいね!
なんでイースターは毎年ちがう日なの?
ところで、イースターの日がなんで毎年違う日なの?って思いませんか?
それは、イースターの日は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と決められているからです。ややこしいですね。
満月の日が毎年違うので、イースターの日も毎年変わります。
イースターのシンボルは?
イースターのシンボルは、うさぎと卵です。
イースターのうさぎ

イースターのうさぎ(イースターバニー)は、たくさん子どもを産むことから「命のシンボル」とされたり、イエスの復活や新しい命を表すシンボルになっています。
うさぎが子供たちのために卵を隠してくれた、という説もあります。(参考:”Folkliga” symboler och traditioner, Svenskakyrkan, https://www.svenskakyrkan.se/vasteras/paskens-folkliga-traditioner, 2022年)
イースターのたまご

うさぎと同様に、たまごもイースターには欠かせません。
たまごもイースターのシンボルです。イースターのたまごは、新しい命が生まれる象徴として、イエスの復活を表すシンボルになりました。
イースターの飾り

スウェーデンのイースターでは、木の小枝を持ち寄って羽根で飾ります。チューリップや水仙などのお花を飾ったりもします。

スウェーデンのイースターは何をするの?
スウェーデンのイースターは、「子供の魔女」と「エッグハント」の2つが特徴です。
それぞれ説明しますね。
子供が魔女に
ヨーロッパではイースターはよく知られていますが、スウェーデンならではの特徴は、子どもたちが魔女の格好をしてお菓子をもらうことです。
子どもたちは、頬を赤く塗って、黒い点でそばかすを描き、スカーフをかぶり、わざとボロボロの服を着て、近所の家を回ってお菓子をもらいます。
スウェーデンでは、昔から「イースターの前に魔女が飛び回る」と信じられていました。そこで、聖木曜日(Skärtorsdag)に、子どもたちが魔女の服装をして近所を回る風習が生まれたといわれています。
ストックホルムでイースターを体験
ストックホルムでイースターを体験したいなら、イースターの時期にスカンセン野外博物館へ行くのをおすすめします。
昔の人がイースターを祝う様子やイースターにどんなものを食べていたか、などがわかりますよ!詳しくはこちら(スウェーデン語)
スカンセンでは、4月17日の聖木曜日(2025年)にイースターの衣装を着た子供 (4 ~ 15 歳) は入場無料です!
エッグハント
2つ目はエッグハントです。スウェーデンのエッグハントは、たまごのケースの中にお菓子を入れて、庭や家の中に隠して子どもたちが探す遊びです。

イースターエッグを用意して、中にお菓子をたっぷりと詰めます。好きなお菓子を入れることもあれば、お菓子が入ったイースターエッグを買うこともあります。





イースターの食べもの
「スウェーデンではイースターになにを食べているのだろう?」と気になった方のために、イースターの食事をすこし紹介します。
イースターの食事に、酢漬けのニシンやサーモンは欠かせません。他には、ヤンソンの誘惑(ジャガイモがメインのクリーミなグラタン)、ラムのロースト、茹でたポテト、魚卵、お菓子などがよく食べられています。
イースターのシンボルであるたまごも絶対に欠かせません。食べ方は、ゆで卵を半分に切って、魚卵を載せて食べることが多いです。

スウェーデンならではのイースターの飲み物は、ポスクムスト(Påskmust)です。なんとも表現しづらい味ですが、炭酸が抜けたコーラみたいな味です。
イースターの時期になると、スーパーにはポスクムストが山積みで売られています。

ちなみにスウェーデンでは、イースター前夜の土曜日にイースターをお祝いします。スウェーデンのクリスマスと同様、イースターは「友達と集まる日」というよりは、「家族や親戚と集まって過ごす日」です。
イースターをちょっと素敵に
イースターをちょっと特別な日にしたいなら、イースターのチョコレートや春っぽいマカロン、かわいいウサギのぬいぐるみを贈ってみるのも素敵です。ちょっとした春のプレゼントや自分へのご褒美にもするのも良いですね。
イースターエッグに必ず入っているチョコレート。イースターといえば、たまご形のチョコレートが人気です。
![]() | 価格:783円 |

カラフルなマカロンも、イースター気分を盛り上げてくれそうです
![]() | 価格:3996円 |

![]() | 価格:3582円~ |

イースターのシンボルであるうさぎのぬいぐるみは、かわいらしくてプレゼントにぴったりです
![]() | 価格:1680円 |

さいごに
今日のスウェーデンのイースターでは、イエスの復活を祝うよりも、春の訪れを祝う意味合いが強くなっています。
家族や親戚が集まって、イースターのお料理を楽しんだり、エッグハントをしたりして、楽しい1日を過ごします。
みんなで春の訪れを感じながら楽しいひとときを過ごすのが、スウェーデンのイースターの魅力です。
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