白夜の夏のスウェーデン。花冠をかぶって、家族や友人とごちそうを囲み、メイポールのまわりで歌って踊る。
一年で最も昼が長い6月に、スウェーデンでは美しいお祭りが行われます。
花を飾り、旬の食材を楽しみ、みんなで食卓を囲む。スウェーデンの夏至祭は、そんな季節の恵みや小さな幸せを大切にするお祭りです。
夏至祭の楽しみ方をちょっとまねしてみるだけで、日常が少しだけわくわくするものに変わるかもしれません。
スウェーデンの夏至祭(ミッドサマー)って?
夏至祭(ミッドサマー)は、スウェーデンで最も愛されているお祭りのひとつ。
1年でいちばん昼が長い頃に、家族や友だちと夏の訪れをお祝いします。
スウェーデン語で夏至祭は、ミッドソンマール(Midsommar)といい、夏至祭前夜はミッドソンマールアフトン(Midsommarafton)といいます。
ちなみに夏至はSommarsolståndetです。ややこしいですね。
夏至祭っていつ?
スウェーデンの夏至祭(ミッドサマー)は、毎年6月19日から25日の間の金曜日(夏至祭前夜)にお祝いされます。
夏至祭前夜 | 夏至祭 | |
2025年 | 6/20(金) | 6/21(土) |
2026年 | 6/19(金) | 6/20(土) |
2027年 | 6/25(金) | 6/26(土) |
夏至祭の時期は、レストランやお店の営業時間が普段と違ったり、クローズしていることも多いので気をつけてください!
白夜って?
スウェーデンの夏至といえば、日照時間の長さを語らずにいられません。
北欧の夏は白夜が有名で、夜になっても空がうっすら明るいままです。
私が初めてスウェーデンの夏を体験したときも、「本当に夜に真っ暗にならないんだ!」とびっくりしました。
そして、今年(2025年)のスウェーデンの夏至ですが、日の出は午前3時30分、日の入りは午後10時8分。日照時間はなんと18時間37分もあります1。

日が沈んだらすぐに真っ暗になるわけではないので、夜の11時すぎてもうっすら明るく、午前1時に鳥の鳴き声が聞こえることもあります。
そんな感じなので、スウェーデンの夏の太陽の光はとにかく強烈です。
ブラインドと遮光カーテンを二重にしても明るさで目が覚めてしまうことがあるので、夏の間は、窓のない地下室で寝たい!と思います。

ストックホルムの白夜は、うっすらと明るい空の向こうに、淡い光が見えるという感じで、「この世の果て感」があって神秘的。
ちなみに、冬至付近の日照時間は6時間ほどなので、日照時間が極端すぎない?といつも思っています。
百聞は一見にしかず、ということで白夜の不思議な感覚を、ぜひ一度体験してみて欲しいです。
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どんなことをするの?
夏至祭の朝、ストックホルムの街は不思議なくらい静かです。何車線もある大きな道路も車がほとんど走っていません。
多くのストックホルマレ(ストックホルムの人)は、サマーハウスや田舎に向かっていて、自然の中で夏の始まりを祝っているからです。

夏至祭の祝い方ですが、朝に摘んだ草花で花冠を作って、大きなメイポールのまわりで手をつないで踊ります。
大人も子供も歌って笑って、なんだか理由もなく楽しいのが夏至祭です。

どんなものを食べるの?
夏至祭で欠かせないのは、ニシン(魚の酢漬け)とじゃがいも!サワークリームやチャイブもいっしょに食べることが多いです。スウェーデンのじゃがいもは、しっとりしてすごく美味しいですよ!
ほかには、サーモン、スペアリブなどのお好みのお肉を焼いたり、ゆで卵を食べたり。そして、デザートは絶対にイチゴのケーキです!

夏至祭のフルーツといえばいちごですが、みんな「スウェーデン産のいちごかどうか?」にこだわっています。夏至祭の直前には、スウェーデン産のイチゴの値段が高騰するんですよ!
スパイスのきいたシュナップス/アクアビットを飲みながら歌をうたうのも欠かせません。
夏至祭はいつからあるの?
夏至祭の起源は中世までさかのぼります。むかし、スウェーデンでは農業がくらしの中心でした。
そのころ、人々は「夏のはじまり」と「豊作」を願って、お祝いをしていたそうです。
メイポールを立てて、そのまわりを踊るようになったのは16世紀ごろから。
そして1900年代には、「スウェーデンの夏と言えば夏至祭!」というほど、みんなに愛される行事になりました。
夏至祭の服装は?
夏至祭では、特別な衣装を着ることは少ないですが、花冠が大事です。
女性は、明るい色のドレスやワンピースに花冠をつけて、男性はカジュアルなシャツとズボンを着ることが多いかも。
普段はパンツスタイルのスウェーデン女性が多いですが、この日だけはスカートやカラフルなワンピース姿の女性をよくみます。
若い女の子は白いワンピースや、白でまとめた服が多いですね。夏を感じる明るい服装が人気です。
とはいえ、服装にまったく統一感がなくて、ジーンズにTシャツの人もいるし、おしゃれした人もいるし、それぞれが好きな服を着ているスウェーデン人です。

伝統的な民族衣装が見たかったら、ストックホルムの「スカンセン野外博物館」へ行くのをおすすめします(スカンセンについては後述します)。
メイポールってなに?
メイポールは、夏至祭の主役ともいえる、大きな柱です。
木でできた長い柱に、葉っぱや花、リボンなどを巻きつけてかざって、広場や草原のまん中に立てます。
そのまわりを、みんなで手をつないでぐるぐるまわりながら、歌ったり踊ったりするのが夏至祭の定番。

メイポールは十字の形に両端の輪っかがついたスタイルが定番ですが、地域や飾りつけによって少しずつ違います。
毎年手作りされることも多く、同じものはふたつとありません。

夏至祭に行く前に、Youtubeで歌を予習していくと、より楽しめますよ!
Youtubeで夏至祭で踊る歌をみてみる
夏至祭の言い伝え
古代の言い伝えによると、夏至祭の夜に7 種類の花を摘んで枕の下に置いて眠ると、将来の結婚相手の夢を見ると言われています。
誰にも言わないでこっそりと行うのが夢で会える秘訣の様です!

夏至祭の花冠
夏至祭には、生花で作った花冠を頭にかぶるのが伝統です。
スウェーデンでは、花冠はMidsommarkrans(ミッドソンマールークランス)と呼ばれています。
「Midsommar」は夏至祭の意味で、「Krans」は冠や輪を意味します。
花冠をかぶると気分も上がるし、みんなかわいく見えるんです。
花冠かぶっている人は、「冬が終わったー!夏が来たー!」と、すごくうれしそうです。もちろん、花冠をかぶらない人もいますし、かぶらなくても大丈夫です。

花冠を作るのはむずかしそうに見えますが、作り方は意外とかんたんで、野の花や葉っぱを集めて、ワイヤーや細い枝にくるくると巻きつけていくだけです。
色やバランスを考えながら作るときれいにできますよ。
作り方の動画はたくさんありましたが、下記の動画が1番わかりやすいです。
夏至祭を体験できるのはここ!
スウェーデンに観光で来て、「夏至祭をちょっとのぞいてみたい!」という人は、スカンセン野外博物館へ行ってみてください。
スカンセンでは、観光客向けにスウェーデンの夏至祭が楽しめます。
ローカルの夏至祭と違って、スウェーデン語につづけて英語でもアナウンスしてくれたり、通常は一度きりのメイポールのダンスも、3日間連続で見られます!
くわしくはこちらから(スウェーデン語)

Skansen(スカンセン野外博物館)
住所 : Djurgårdsslätten 49-51, 115 21 Stockholm
地図 : Googleマップで見る
HP : https://www.skansen.se/
※4歳未満のお子様は入場無料
スカンセンをくわしく紹介した記事もあります。
日本でも食べられる夏至祭の食べ物
楽しいスウェーデンの夏至祭、実は日本でもちょっとだけ気分を味わえます。
サーモンやいちごのケーキを用意して、ドリンクを持って外でピクニックするだけでも気分は北欧。
いつもの食卓も、真っ白なテーブルクロスをかけるだけでぐっと華やかになります!ぜひ気軽に楽しんでみてくださいね。

夏至祭に欠かせないサーモン。
サーモンの切り落としなら、たくさん食べられますね。
ディル風味のニシンは日本人にはなじみがない味かもしれませんが、茹でたてのじゃがいもとよく合うので是非!
エルダーフラワーのシロップはスウェーデンでは手作りする人が多いです。
味は、ほんのり香りがする「うすーいジュース」という感じ。洋梨をジュースにしたらこんな感じかな?という不思議な味です。(なんとも説明がしづらい味で)
エルダーフラワーのシロップは、ボトルで薄めておいて食卓に!
ボトルからセルフサービスで、それぞれがグラスに注ぐのがスウェーデン流です。
スウェーデンの夏至祭といえばアクアビットですが、アルコール度数が40%前後あるので、私はなるべく避けています。酔っ払ってひっくり返ってしまうので。
お酒に強い方はどうぞ!
美味しすぎるいちごのケーキ、大好物です。スウェーデン産のいちごは日本のよりは小粒。でも甘いですよ。

いちごのケーキにスウェーデンの国旗を立てれば、グッとスウェーデンっぽくなります。
ケーキスタンドに乗せるといきなり貴族感が出ます。キントーのケーキプレートはプラスチックなので、割れる心配がないのが良いですね。
スウェーデンでもケーキプレートは買えるのですが、ガラス製で結構重いのです。
ピクニックといえば、やっぱりかごバッグ!私はかごが好きすぎて、うちにはかごがたくさんあります。
でも、クーラーバッグになっているかごバッグもあるのですね。見た目もかわいくて、ちょっと気になります。
スウェーデンの夏のピクニックは、家の庭や公園などにある長テーブルで楽しむのが定番。
一軒家に住んでいる人は、一家に一台と言ってもいいくらいに、どの家庭にも庭にテーブルセットがあります。
特別な日には、真っ白なテーブルクロスやお気に入りのクロスをかけて、特別感を出しています。
さいごに
ぜひ機会を作って、6月のスウェーデンで本物の夏至祭をお祝いしてみてくださいね。
とはいえ、まずは家で楽しめるアイテムを揃えて、夏至祭の雰囲気を味わってみてください。きっと良い思い出になると思います。
スウェーデンの他の文化についての記事(イースターやクリスマスのお料理、ワッフルの日)もあわせてご覧ください。
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- 参照:2025 Sun Graph for Stockholm, Timeanddate, https://www.timeanddate.com/sun/sweden/stockholm?month=6&year=2025://www.timeanddate.com/sun/sweden/stockholm?month=12&year=2025 ↩︎
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